〈コンセプト・特色〉
高齢者へ笑いと健康をお届けする取り組み
〈運営主体について〉
「一般社団法人介護エンターテイメント協会」
協会の取り組みに共感したメンバーが集まり、高齢になっても「笑い」と「生きがい」をもって生活してもらえるように、施設でのボランティアやセミナー、研修を開催中です。自宅でも体操やリハビリに取り組んでもらえるようにブログやYouTubeでの発信も積極的に取り組んでいます。
〈取り組みをスタートした時期〉
2014年協会設立
2018年7月一般社団法人化
〈概要〉
お笑い芸人・舞台俳優の活動を続けています。芸人・舞台俳優活動で培った技術を生かして、一般社団法人介護エンターテイメント協会を設立しました。「人生のラストに『笑い』と『生きがい』を」をモットーに、「介護エンターテイナー」と名乗り活動しています。
リハビリ体操に笑いの体操、エンタメ性いっぱいのアクティビティなどを取り入れ、介護現場を「笑い」でいっぱいにするために、日本全国でボランティアやセミナー、講演会の講師として活動中です。
「介護×笑い」に関する取り組みへの注目度は高く、多数のメディアで執筆・取材の実績があります。チャンネル登録者28000人以上のYouTubeチャンネルは、中高年や介護・医療職から絶大な支持を得ています。
〈取り組みのきっかけ〉
お笑い芸人としても活動しながら介護施設で作業療法士の仕事をするという、二足のわらじ生活が5年続きました。芸人の道もなかなか思うようにいかず、どこか中途半端な5年間だったのですが、30歳という年齢を機に自分の人生についてもう一度考え直しました。そんな中、知り合いに依頼された介護施設でのボランティアで、体操を交えたレクリエーションを行い、高齢者の方が無邪気に笑う姿を見て、「お笑いとリハビリはつながる!」とひらめきました。
その後、自分にしかできないお笑い×介護の道を突き進もうと「介護エンターテイナー」という肩書きをつくり、日本介護エンターテイメント協会を設立しました。エンターテイナーとは、心地よい空間を生み出す人だと思っています。機能回復を目的にしたリハビリと、楽しみ・娯楽としてのレクリエーションを、お笑いのスキルでつなぐことで、高齢者の方々にとって心地よい空間を提供することを目的としています。
〈運営コスト〉
代表の石田竜生が「介護エンターテイナー」を仕事として生活していますので、依頼を受け講演会やセミナーで講師を務め講師料をいただいています。そのほかYouTubeやブログ、体操DVDの販売などで運営しています。
〈運営に必要な費用概算〉
30万円
〈運営資金の確保〉
自費
〈持続させるための仕組みや工夫など〉
介護に携わる人全員が笑いのあるリハビリ体操を行う必要はありません。介護の仕事は相手のことを知ることも大事ですが、自分の個性を知ることも大事です。自分の得意なこと、好きなことを考え、どうしてこの仕事に就いたのかと原点にかえることで新しい自分に出会え、自由な発想が生まれます。自分の強みを活かした仕事をしている僕だからこそ伝えられることがあると思うので、様々な情報発信方法を試していきたいと思います。
〈これまでに苦労したことと、それをどのように乗り越えてきたか〉
自分の人生や仕事に悩み始めた30歳の頃から、「自分には何ができるのか」「自分にしかできないことは何なのか」を探るために、全国でボランティアを続けてきました。勤務している介護施設の休日を使って、交通費のみをいただいて活動していたので、収入面で苦労しました。
〈うまくいっていること、やってよかったと思うこと〉
YouTubeで「介護エンターテイメントチャンネル」を開設し、リハビリ体操などを動画配信。ブログでは笑いを生み出すコツや介護予防に繋がる情報を発信しています。
講演会会場で、90代の女性から動画を見ながら自宅で運動をしていると報告を受けた時や、「○○さんのあんな笑顔は初めて見た」「あんな動ける人だとは思わなかった」などと声をかけられた時に、「活動してきてよかった」と感じました。
〈うまくいっていないこと、今、悩んでいること〉
YouTubeやブログなど積極的な情報配信にこだわるのは、「家から出る機会の少ない人のことが一番気になるから」です。いくら施設や講演会会場で体操をお伝えしても、その現場にいる人を元気にすることしかできません。全国で活動していると、近くの公民館で行われている体操教室に行くための手段がない方、家ではただボーっと過ごしている方がたくさんいることに気付きました。
僕が届けたいのは、そんな「きっかけさえあれ元気になれる可能性がある人」です。スマホやパソコンを使うことのできる高齢者はまだまだ少ないですが、発信を続けていけば、家族や介護施設のスタッフから情報が伝わっていくはずです。少しずつ手ごたえも感じています。
〈今後のビジョン〉
高齢社会の今、普通に生活していても介護が必要になることもありますし、企業も「介護」をキーワードにして物事を考えないと企業活動が成り立ちません。広い意味で介護は当たり前のものになり始めています。施設で働くことイコール介護というよりも、生きていくうえで必ず必要なことだから学ばないといけない、考えないといけない世の中になっていくと考えているので、一般企業や自治体との連携を高めていきたいと思います。
■事業名:高齢者へ笑いと健康をお届けする取り組み
■事業者名:一般社団法人介護エンターテイメント協会
■取材協力者名: 石田 竜生(一般社団法人介護エンターテイメント協会代表)
■事業所住所:〒578-0924大阪府東大阪市吉田8丁目1-35