〈コンセプト〉
だれもがちょっと汗を流して働ける農業と林業の仕組みづくり
〈取り組みをスタートした時期〉
2018年4月1日
〈概要〉
地域の畑や森林が荒れたまま放置され、人口減少とともに課題となっています。そのようなことを背景に、障害のある人、刑務所や少年院から出所してきた人、生活に困窮している人など、さまざまな理由で一般の職場での働きづらさを抱えている人に対して仕事をつくり出す取り組みです。
農業や林業は、汗をかく体力仕事が多くあります。生活習慣の乱れた人や障害のある人の中には、そうした「汗をかく仕事」が必要な人が多くいますが、障害者の作業所は一般的に軽作業を行うところが多く、なかなかそうした仕事はみつからない現状があります。私たちは約5ヘクタールの畑を借り受け、サツマイモとジャガイモを育てています。育てたイモは、スイートポテトやコロッケに加工して販売しています。森林は10ヘクタール以上を管理しており、2020年度には森林内に2kmの作業道を敷設しました。こうした仕事を地域の中につくり出しています。
〈運営主体について〉
「社会福祉法人福祉楽団」
千葉県と埼玉県で福祉事業を実施している社会福祉法人
〈取り組みのきっかけ〉
周辺地域の森林や畑が年々荒廃して景観が悪化しているのをどうにかしたいと思ったことです。
〈運営コスト〉
施設整備には日本財団からの助成を受け、日常的には障害者総合支援法の就労継続支援B型の指定を受け、給付費を受け取っています。しかし、事業はまったくの赤字であるため、法人内のほかの事業の黒字を充てて運営しています。
〈運営に必要な費用概算〉
200万円
〈運営資金の確保の手段〉
自費、その他の公的補助、障害者総合支援法の給付費
〈持続させるための仕組みや工夫など〉
誰もが働けることが大事だと考えており、その仕組みづくりに注力しています。
〈これまでに苦労したことと、それをどのように乗り越えてきたか〉
作業で使用させていただく畑や森林の所有者に、取り組みを理解してもらうための関係性や信頼関係の構築です。地域の自治会や会合には欠かさず出席するなど、地道な活動を通して関係を構築してきました。
〈うまくいっていること、やってよかったと思うこと〉
森林の中に作業道を敷設したことで、軽トラックが入れるようになり、森が生き生きとしてきました。また、これまで放置されていた森林がきれいになることで地域の人から喜ばれるようになり、「うちの山もやってくれ」と言われるようになっていたことも、やってよかったと思うことのひとつです。
〈うまくいっていないこと、今、悩んでいること〉
持続的に事業が実施できるような収入の確保ができていないことです。林産品の加工や販売ができていないため、今後の課題だと思っています。
〈今後のビジョン〉
林産品の加工をやりたいと思っており、木工や家具づくりを実現させたいです。
■事業名:栗源第一薪炭供給所における農業と林業と福祉の連携
■事業者名:社会福祉法人福祉楽団
■回答者名:飯田 大輔(社会福祉法人福祉楽団理事長)
■事業所住所:〒287-0105 千葉県香取市沢2452番1