〈コンセプト・特色〉
映画と上映会でひとをつなぐ。まちをつなぐ。未来につなげる
〈運営主体について〉
「株式会社ワンダーラボラトリー」
代表取締役・プロデューサー山国秀幸
「映画と上映会でひとをつなぐ。まちをつなぐ。未来につなげる」を目的に、「CINEMA SOCIAL」を提唱。既存の小説や漫画などを活用せず、介護や医療現場を取材して制作した原作を元に映画を企画・脚本・プロデュースをしています。
〈取り組みをスタートした時期〉
2015年11月11日
〈概要〉
介護・地域医療・認知症ケアにテーマを特化したオリジナル映画を制作し、劇場公開後は、市民ホール、公民館や学校などでの市民上映会で地域の隅々まで届けます。
・介護福祉士が主人公の映画「ケアニン〜あなたでよかった〜(以下、「ケアニン」)」(2017年6月公開)
・在宅医療と多職種連携をテーマにした映画「ピア〜まちをつなぐもの〜」(2019年4月公開)
・「ケアニン」のモデルとなった介護施設を1年間追いかけたドキュメンタリー映画「僕とケアニンとおばあちゃんたちと。」(2019年5月公開)
・「ケアニン」の続編「ケアニン〜こころに咲く花〜」(2020年4月公開)
「ケアニン」は、全国1,300か所以上で上映会が開催され、今なお拡大が続いています。
〈取り組みのきっかけ〉
①新しい映画制作モデルをつくりたいと考えていました。映画制作は旧態依然のビジネスモデルで、大手が独占しており、中小企業の取り組みはギャンブル性が高くなります。
②社会的なテーマの映画を市民上映会という形で地域に届けていくことは、まちづくりにつながると考えました。
〈運営コスト〉
■運転資金
映画上映会を開催する主催者からの上映料収入
■工夫・取り組み
・上映会成功事例(主催者及び参加者感想)を、自治体、学校、法人・企業などの主催者ごとに 作成し、その情報を発信
・コロナ禍対策としてのオンライン上映会システムの構築
〈運営に必要な費用概算〉
150万円
〈運営資金の確保〉
自費、上映料収入
〈持続させるための仕組みや工夫など〉
制作する映画が可能な限り多くの専門職や当事者、家族の共感を得られるようにしています。
・様々な立場の人に取材して、視点が一方通行にならないようにする
・脚本は多くの人に監修してもらう
上映会の運用コストを下げるためのオンライン申し込みなどのシステム化などを行っています。
〈これまでに苦労したことと、それをどのように乗り越えてきたか〉
コロナ禍の影響で上映会の開催が激減し、上映料収入がほとんどなくなりました。その対応として、オンライン上映会のシステムや料金設定などをつくり、オンライン研修のツールとして、実地研修できない福祉看護系の学校や企業などに案内を出しました。
〈うまくいっていること、やってよかったと思うこと〉
映画上映会を開催した主催者や参加者から、高い評価を得ました。地元の公民館などで、子どもからお年寄りまで地域の仲間や家族と一緒に映画を観ることで、「認知症」「介護」をともに考えるキッカケとなったなどの声が寄せられました。
市民上映会の主催という活動を通じて、集まった仲間たちが後援や協賛などで地元の企業や商店、自治体、マスコミなどを巻き込んで、地域が一体になれました。
〈うまくいっていないこと、今、悩んでいること〉
コロナ禍の影響でリアルな上映会が開催できなくなりました(現在は通常時の30%くらいの開催数)。
オンライン上映会も広がっていますが、同じ場所で同じ時間一緒に映画を観て、泣いて笑って感動する……という一体感はもちにくいと思います。
〈今後のビジョン〉
年間に制作する映画の本数を増やしたいと考えています。
認知症や介護の課題、また現場の感動エピソードや専門職のプロフェッショナル性など、映画で取り上げたい、取り上げるべきだと考えている題材が溢れています。エンターテインメント映画として、子どもから大人まで、笑って泣けて感動して学べる映画を1本でも多く制作し、国内にとどまらず海外に発信していきたいと思います。
■事業名:シネマソーシャル
■事業者名:株式会社ワンダーラボラトリー
■取材協力者名:山国 秀幸(株式会社ワンダーラボラトリー代表取締役)
■事業所住所:〒150-0021 東京都渋谷区恵比寿西2-4-5 第28荒井ビル7F