〈コンセプト・特色〉
デイケアセンターや在宅サービスを通じて、高齢者の地域ケアを行います。地域の生活資源を統合し、高齢者が本来持っている能力を活かし、高齢者一人ひとりの支援体制を構築し、日常的なケアや介助を行い、自然と地域が一体となって、高齢者が住み慣れた地域で老後を過ごせるようにサポートしています。
〈取り組みの概要〉
デイケアセンター2カ所、ホームケアセンター2カ所、ケースマネージメントセンター3カ所、24時間対応のレジデンシャルケアセンター1カ所があり、総勢約300名のホームヘルパー、介護士、ソーシャルワーカーなどのスタッフが、地域の約1,500名の高齢者にケアを提供しています。
〈運営主体について〉
雲林県高齢者保護協会(コミュニティケアと在宅サービスを提供)、昌泰社会福祉基金会(研修と企画研究開発を提供)、同仁愛ホーム(24時間の居住サービスを提供)の3つの法人が共同で運営するケアシステムです。
〈取り組みをスタートした時期〉
2011年5月1日
〈取り組みのきっかけ〉
2006年に日本を訪れた私たちは、自立支援の概念と実践を理解し、高齢社会のモデルとソリューションをつくるべきだと考えました。 2011年、私たちは台湾での実践を開始しました。まず、実践拠点として昌泰老師学院デイケアセンターを設立し、徐々に他のサービスシステムにも拡大していきました。
〈運営コストについて〉
約73%が政府の委託費、国民の利用料が20%、その他の収入が約7%です。
〈運営に必要な費用概算〉
1800万台湾ドル
〈運営資金の確保〉
自費、寄付金、長期保険、政府からのその他の補助金、その他
〈これまでに苦労したことと、それをどのように乗り越えてきたか〉
最も難しいのは、組織のメンバー間で共通の価値観を確立することです。古い概念やサービスモデルを変え、真に高齢者のニーズを核としたサービスを提供することが必要です。 解決策としては、体験型のトレーニングで共通の感覚を作り、小さな変化から徐々に始めて達成感を積み重ね、共通の価値観を構築することです。
〈うまくいっていること、やってよかったと思うこと〉
スタッフがケースに費やす時間や地域との関係を築く時間がもっとあれば、ケース(特に認知症の方)のニーズを正確に把握する機会や能力がもっとあれば、地域の人々への理解や認識、支援がもっとあれば、そして高齢者が自由に動き回れる安全な施設や空間が地域にあれば、高齢者の外出意欲を高めることができると思います。
〈うまくいっていないこと、今、悩んでいること〉
介護需要の増加により、高齢者一人ひとりに割ける時間や労力が少なくなり、マネジメント能力の開発や経験豊富なスタッフやスーパーバイザーの研修もまだまだ不十分で、認知症の方の地域支援ネットワークの構築が難しくなっています。
〈持続させるための仕組みや工夫〉
私たちは、コミュニティ運営に一層注力し、サービスの体系化と情報化、監督・管理スタッフの育成、自立支援施設や技術の研究開発に一層の投資を行っています。
〈今後のビジョン〉
私たちは、高齢者が人生の最後まで自分の能力を発揮し、地域とともに生き、必要なサービスなどを選択して本来の生活を続けることができるように支援サービスの仕組みを構築していきます。
■事業名:社團法人雲林縣老人福利保護協會(長泰老學堂健康照顧體系)
■事業者名:林金立
■取材協力者名:林金立
■事業所住所:雲林縣斗六市虎溪路23-1號