〈コンセプト・特色〉
認知症や障がいがあっても、サーフィンや仲間とのつながりを通して、幸せに生きる。
〈運営主体について〉
「Nami-nications~サーファーズケアコミュニティ~」
メンバーは、認知症の方ご本人、障がいのある方、そのご家族、医師、看護師、理学療法士、作業療法士、ケアマネージャー、社協職員、介護職員、大学生、メディア関係者、認知症ケア研究者、一般市民などで構成されるボランティア団体です。
〈取り組みをスタートした時期〉
2015年5月1日
〈概要〉
湘南地域で医療・介護・福祉の仕事とサーフィンの趣味をもつ専門職のメンバーが、毎月鎌倉市由比ガ浜海岸に集まって、認知症や障がいがある方のサーフィンサポートを行っています。メンバーは約40名います。サーフィンのほか、理学療法士・作業療法士による準備運動、ビーチクリーン、ウクレレ、バーベキュー、メンバーで旅行、など行ってメンバー間の交流も行っています。
〈取り組みのきっかけ〉
2015年5月、湘南で医療・介護・福祉の専門職として働くサーファー仲間の横のつながりを深めるため、定期的にメンバーと一緒にサーフィンする活動を始めました。2年目の2016年9月に、RUN伴イベントで、元サーファーの若年性認知症の男性と出会いました。その方が9年ぶりにサーフィンを再開するサポートを行い、それ以来、毎月若年性認知症のご本人ご家族を中心に海に集まり、交流を深めています。
〈運営コスト〉
運営のために必要なサーフィンの道具は、メンバーの持ち物を使用しています。初めての体験者が多いときは、ボランティア行事保険に加入し、実費負担いただくことがあります。それ以外は、各自ボランティアでまかなっています。
〈運営に必要な費用概算〉
0円
〈運営資金の確保〉
自費
〈持続させるための仕組みや工夫など〉
SNSなどで情報を発信する、口コミで参加者を募る、仕事上の関係者とつながりを深めるなどを行っています。サーフィン以外に、ビーチクリーンやバーベキュー、ウクレレ、旅行など行って交流を深めています。新年会など海以外でも集まっています。
〈これまでに苦労したことと、それをどのように乗り越えてきたか〉
サーフィンや海が大好きなサーファーで、メンバーが人の役に立ちたいという共通認識のもとで集まっているので、今まで特に苦労したことはありません。気を付けたことは、地元のローカルサーファーや住民の方、海を楽しむ方に迷惑をかけないよう、参加者の顔が見える人数、口コミべースで最初は行いました。またビーチクリーンを行い、地域や環境によいことを行っています。
〈うまくいっていること、やってよかったと思うこと〉
認知症の方だけでなく、障がいがある方や子どもたち、これからサーフィンを始めたい専門職の人たちが、自然と増えてきて、つながりが拡がってきたことです。サーフィンを体験するだけでなく、波のない日は、ビーチでウクレレを弾いたり、バーベキューをしたり、またメンバーで旅行に行ったり、またサーフボードに絵を描いたりと、活動が拡がってきました。2019年には、伊勢志摩のサーフィンサポートグループと連携し、伊勢志摩に全国から認知症の方や支援者など、約70名が集まりました。
〈うまくいっていないこと、今、悩んでいること〉
海、自然が相手なので、天候に左右されるところ。それ以外に、サーフィンや海、人の役に立つことが好きな人たちが集まっているので、特に悩みになることは今のところないです。
コロナ禍で忘年会や新年会が行えなかったことは残念です。
〈今後のビジョン〉
次のように考えています。
・より沢山の方に、海で波にもまれて癒され、なかまとつながり楽しみながら自信をもってほしい。
・全国のビーチにも拡がってほしい。
・ほかの地域で行っている方たちと、交流したい。
・ビーチクリーンや海洋プラスティックを利活用してサーフアートなどを製作したり、認知症や障がいがあっても、社会貢献を行えるようにしたい。
・サーフィンをしない人も、ビーチで楽しく過ごしつながりの場としていきたい。
■事業名:ナミニケーション
■事業者名:Nami-nications~サーファーズケアコミュニティ~
■取材協力者名:柴田 康弘(株式会社ジョイ&ホープ代表取締役)
■事業所住所:〒248-0014 神奈川県鎌倉市由比ガ浜1-11-21