〈コンセプト〉
「多世代交流・多様な方々同士の『見守りあいつながり合い』が生まれる」
かごしま地域見守りネットワーク(通称みま〜も・かごしま)としてのコンセプトです。
「幸せづくりのお手伝い」
社名でもある「輝く人生創り研究所 ShinyLife Labolatory」は、伝えたいコンセプトをそのまま全部ぎゅっと詰め込んでいます。
〈特色〉
「みま〜も・かごしま」では賛助会員としてのみま~もサポーター(ご本人・ご家族・地域住民・企業等々)と医療、介護、福祉の専門職お互いが見守り合いながら、安心して・楽しく・生きがい(役割、存在意義)をもって暮らし続けることのできる町づくりを目指しています。
姿勢としては、介護・福祉業界における言葉のマイナスイメージの固定概念を外し、一人ひとりの幸せに真摯に向かい合い、誰もが心地よくかかわり合える関係をつくる。そんな温かいおせっかいができる居場所づくりを目指しています。
〈取り組みの概要〉
地域包括ケアシステムのモデルとして、広く全国的に取り上げられている東京都大田区のおおた高齢者見守りネットワーク「みま〜も」の鹿児島版です。
①安心ネットワーク(気づきのネットワーク)づくり
・見守りキーホルダー活動
・よろず相談窓口
②地域づくりセミナー活動(支援のネットワーク)
・賛助会員、みま〜もサポーターに講師になっていただき、セミナー等を開催
③みま〜もステーション活動(支援のネットワーク)
・介護予防活動(ポールウォーク等)
・ミニ講座、趣味活動、教室(料理、手芸、タブレット等)活動
※みま〜もの運営は、多くの賛助会員(個人・企業)さん、みま〜もサポーターさんのご協力で成り立っています。
④「LLさねかた」
多世代交流拠点として、地域の集いの場であり働くデイとしての機能を活かして、鹿児島市内に点在させていくことで、点から線へ、線から面へと広げていき、豊かな街づくりを目指しています。
〈運営主体について〉
「輝く人生創り研究所 Shiny LifeLabolatory 合同会社SLL」
〈取り組みのスタート〉
2020年4月設立
〈取り組みをスタートしたきっかけ〉
現在の医療・介護の仕組みでは、身体が不自由になってからしかサービスを受けることができず、地域社会から孤立し、日々の暮らしに不安を覚える方にとって安心して暮らすことができる状況にあるとはいえないのが実状です。高齢者が安心して暮らす町づくりのために、前代表の太田博見氏が理事長を務める医療法人仁慈会太田歯科医院グループで、「みま〜も・かごしま」の活動をスタートさせました。そんな中で、事務局長として取り組まれてきた水口さんが「みま〜も・かごしま」の事業を自らが中心として引き受けて現在の形での「みま〜も・かごしま」をスタートさせました。
スタートすると決めた一番のきっかけとなったのは、「鹿児島医療介護塾」でのさまざまな人との出会いでした。10年でのさまざまな出会いを通して、その熱意と知識に触れたことで、今の地域にないものをつくるための具体的なアクションを考え抜き、それを一人でなくみんなで考え選択し、決定は水口さんが行うことで、通行手形がない方(介護保険制度のサービス対象にならない方)でも元気なうちから能動的にかかわれるファジーな場をつくりたい! と思ったことが、現在の取り組みにつながっています。
みま〜もカフェ=地域のつどい場
〈法人概要〉
「輝く人生創り研究所 Shiny LifeLabolatory合同会社SLL」(営利法人)
常勤3名、会員数30名(ペイなし)
〈運営コスト〉
運営のために必要な運営資金のシステムとしては、デイでの収入と共に、賛助会員の賛助会費、地域のつどい場でのカフェ運営とBASEを利用しての豊富な資源を生かし、みんなで取り組める青竹や薪の販売をしています。これからの部分も多くあります。
〈運営に必要な費用概算〉
3人の人件費(100万円/月)、家賃・リース等(170万円/月)など
〈運営資金の確保〉
自費(カフェ・オンライン販売)、寄付(協賛)、介護保険(地域密着型通所介護・(総合事業)予防型通所介護)
〈これまでに苦労したことと、それをどのように乗り越えてきたか〉
大田区で行われている「みま〜も」の見守りの取り組みに感銘を受け、「みま〜も・かごしま」を開設する許可をいただき、志を共にする仲間と一緒に「みま〜も・かごしま」を立ち上げから関わり取り組んできました。
そしてさらに、「まだまだ地域の資源(人・モノ)をうまく活かせてないために、点から面でのつながりとなっていない!」と感じ、予算とも闘いつつ、熱意とチームワークで現在も乗り越えて行こうと、今も仲間と共に奮闘しつつ日々走り回っています。
〈うまくいっていること、やってよかったと思うこと〉
うまくいっている要因としてのポイントは、運営チームのルールづくりをしっかりと行い、特に「アサーティブコミュニケーション」を活用することにより、思ったことを率直に話し共有したうえで、決定までのプロセスを一人ひとりが大事にできるという土壌ができてきていることです。そして、なによりも言葉のインパクトはとても大切にしています。
デイや介護といったイメージで社会参加できるはずの人を出てきてもらうためには、先入観にとらわれないネーミングや建物施設づくりを行い、さまざまな人がかかわりやすいようにつくり上げるプロセスも皆さんと楽しんで行っています。
〈うまくいっていないこと、今、悩んでいること〉
新型コロナウイルス感染症が蔓延してから、活動の形や人同士のつながりなどを、大幅に見直しも必要となりました、当然それにより予算とにらめっこしつつも「どうすれば、みんなが幸せになるお手伝いができるだろうか?」と日々考え続け、みんなにも一緒に考えて今という毎日を積み重ねています。
〈人財の確保や教育に取り組み発展へ〉
事業にかかわる一人ひとりが深く考えられるシステムをつくることで、その人自身も地域の大切なハブとなることができるチームとなります。
チームの一人ひとりがマニュアル通りではなく、コーヒーマシンの購入一つとっても「なぜこの色を選択したのか?」と理由や根拠を考えて、互いにプレゼンテーションしあえる環境づくり(日々のトレーニング)が、人を育て、地域とのかかわりができる継続に必要な人財育成となると、日々取り組んでいます。
〈今後のビジョン〉
自分の親(世代)だけでなく、自分自身がかかわりたい・利用したい福祉の居場所があり、働くことも諦めずに過ごせる町まちづくりを目指しています。
■事業名:地域のつどい場づくり・地域の見守り活動「みま〜も・かごしま」
■事業者名:輝く人生創り研究所Shiny Life Labolatory 合同会社SLL
■取材協力者名:水口 義夫(輝く人生創り研究所 Shiny Life Labolatory 合同会社SLL代表社員)
■事業所住所:
・みま〜もカフェかっちゃん邸郡元
〒890-0065 鹿児島県鹿児島市郡元1-16-50
・地域密着型通所介護 LLさねかた
〒892-0871 鹿児島県鹿児島市吉野町451-1
■サイト:https://sll.co.jp/
■取材・まとめ:岡田 英之(居宅介護支援事業所勤務)
■取材時期:2021年2月