〈コンセプト・特色〉
marugo-to(まるごーと)は、すべての人(まるごと)が気軽に行く・行きつけの(go-to)居場所です。
〈概要〉
毎週月曜日の9時半~12時半(新型コロナウイルス感染防止のため現在は9時半~11時半)、地域の使わなくなった農業用ビニールハウスと畑を拠点に開催しています。畑仕事や木工作業、ピザ窯づくりを通して誰でも参加できる居場所です。marugo-to(まるごーと)の名前は、それぞれの個性や経験を生かして役割を担い、やりがい、生きがいをもって思い思いに過ごせる場所であることを表わしています。
〈運営主体〉
西蒲区社会福祉協議会のCSW(コミニティーソーシャルワーカー、以下CSW)とボランティアコーディネーター、ボランティア講座を修了した男性シニア、ライフパートナーかくだ山合同会社(代表:岩﨑典子)が主体となって運営しています(共同企画)
〈取り組みをスタートした時期〉
2018年6月4日
〈取り組みをスタートしたきっかけ〉
私はボランティアで、認知症のお母様を介護していた娘さんと、有志の仲間と一緒に、認知症カフェ「かくだ山」を月1回第三金曜日に開催していました。しかし、月1回では、悩みがあっても解決できないのではないかと思っていました。同じころ西蒲区社会協議会のCSW、ボランティアコーディネーター、生活支援コーディネーター(SC)も、それぞれの立場で悩みごとを解決していました。4者で何度も話し合い、お互いの悩みを解決できる場所が「ない」のならと、「創った」のがきっかけです。
〈運営コスト〉
西蒲区社会福祉協議会+R9参加費200円と、オリジナル木工品「marugo-toブロック」の販売、marugo-toで育てた野菜の販売、オリジナル商品の開発、オリジナルポロシャツの販売などで運営資金を調達しています。また、事業として持続可能性を確保するために、法人格を取得する準備も行っています。
〈運営に必要な費用概算〉
約2万円/月(ハウスの維持管理費、光熱費、保険)
〈運営資金の確保〉
自費、参加費、協力金
〈これまでに苦労したことと、それをどのように乗り越えてきたか〉
2018年6月に立ちあげ、県内でも新しい取り組みだったため、メディア、新聞、雑誌に大きく取り上げていただきました。また、大学のインターンシップや学生の受入れなど、地域共生社会の実現に向けてがんばってきました。スタッフも新しいことに挑戦したり、運営のためのノウハウを学んだりして、今後の活動にも目標ができました。
しかし、2020年2月、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、一番一生懸命だったスタッフが一番最初に離れていったことが最もつらかったです。でも6月に再開して新たな仲間も増え、支えてくれるメンバーがいたから乗り越えられました。
〈うまくいっていること、やってよかったと思うこと〉
うまくいっているかどうかは別として、やってよかったと思うことは、参加しているスタッフもメンバーも、この時間だけは嫌なことを忘れていきいきしている姿を見るときです。「〇〇だからできない」ではなく、「〇〇だからこそできることがある」。コロナ禍だからこそ続けていく意味が、ここにはあると思っています。
〈うまくいっていないこと、今、悩んでいること〉
うまくいっていないことはありませんが、悩みはあります。5年後10年後も継続していくためにどうしたらよいかは、常に考えています。持続可能とするための運営資金の調達は、永遠の課題です。あとは、もっとたくさんの方に活動を知ってもらい、その方たちの地域でも同じような活動が広がったらいいなと考えています。
〈今後のビジョン〉
まずは継続していくことが大切だと考えています。それには持続可能な活動とするために必要な運営資金の確保や、仕組みづくりが必要と考えています。また名称の「marugo-to」が表わすように、「丸ごと」×「go-to」、つまり高齢者・障がい者・子どもすべての人(丸ごと)が参加でき、それぞれの役割や目的をもって行く(go-to)ことができる場所、活躍できる場所として、地域の助け合いの文化を再構築するきっかけを与えることで、「小さな共生社会」を目指していきます。
■事業名:多機能型拠点ビニールハウスの居場所「marugo-to(まるごーと)」
■事業者名:ボランティア団体marugo-to
■取材協力者名:岩﨑 典子(ボランティア団体marugo-to代表)
■事業所住所:〒953-0015 新潟県新潟市西蒲区松野尾3365番地